Yahoo!ショッピングでは、「優良配送」に対応している商品は検索結果で優遇されています。
2022年8月31日から、優良配送に対応している商品は優遇すると発表があり、実際に優遇されていましたが、11月18日から優遇がさらに強化されました。
参考記事：2022年8月開始、優良配送の検索優遇の影響

全部で4000文字と長い記事になったので、目次をつけました。

11月18日に行われた優良配送優遇の内容

今回、11月18日（金）から、優良配送の検索優遇がさらに強化されました。重要なのは、優良配送に対応している商品でも、休日など優良配送に対応できないケースが出てきます。そうした、優良配送ができない日に、一気に検索順位が落ちるようになりました。

以下の図は、「ビール」というビッグワードで1位、さらに自社ブランド名で1位をキープしていた店舗の順位状況です。以前は、優良配送ができない土曜日（図では1日前）でも、それほど順位が変わっていないのがわかると思います。
【2022/11/06（日）のデータ】

これが11月18日の変動後、「ビール」については圏外、ブランド名でも1位から一気に59位、さらに81位と大きく落ちました。
【2022/11/20（日）のデータ】

このように、今までは優良配送に対応していればOKだったのが、今後はすべての日で優良配送に対応しないと、アクセス数が大きく落ちると思われます。
たとえば、土日が休日の場合、当日出荷の店舗なら金曜日の午後と土曜日が優良配送が非対応になり、翌日出荷の店舗だと金曜日の午後と土曜日および日曜日で優良配送が非対応になるので、週の3分の1以上で検索順位が大きく下がってしまいます。

優良配送優遇の強化に、どう対応するか

一番確実な解決策は、自社出荷の場合は毎日出荷するか、Yahoo!ショッピングと連携しているヤマトフルフィルメントにすべての商品を預けてしまうことです。
ただし、この2つの方法は多くの店舗にとって現実的でないと思いますので、大きく3つの対応方法が考えられます。
1．一部の荷物だけヤマトフルフィルメントに預ける
2．RSLなど物流会社を利用している場合、土日勤務のパートを雇うか、業者に委託するか、システム化して対応
3．特別な対応は行わない
※ほかにも、こうした方法で対応したというケースがあったら、コメントやメールにてお寄せください。

1.一部の荷物だけヤマトフルフィルメントに預ける

Yahoo!ショッピングでの売れ筋商品だけ、ヤマトフルフィルメントの倉庫に預ける方法です。
ヤマトフルフィルメントに預けた商品は自動的に優良配送になり、店舗が土日を休日にしていて、土日の注文は勝手に出荷してくれるので、店舗側での対応は少なくなります。
※上記ヤマトフルフィルメントの記載については、実際に預けたことがないので間違っている場合はご指摘ください。
売上への影響も少ないですが、Yahoo!ショッピング用に別に在庫を持つ必要があるので、在庫金額が増えるリスクがあります。

2．RSLなど物流会社を利用している場合、土日勤務のパートを雇うか、業者に委託する

RSL（楽天スーパーロジスティクス）など、多くの会社では土日も出荷に対応しています。ただし、土日にYahoo!ショッピングで入ってきた注文については物流会社にデータを送って出荷指示をする必要があります。
そこで、社内の勤務シフトを変更するか、または土日勤務のパートさんを雇って出荷指示を行ってもらえば、土日も優良配送対応になります。またパートさんを新規で雇って教育する時間がない場合は、受注処理を代行してくれる業者もいます。

システム化での対応も一つの方法

業務フローが明確な場合は、ネクストエンジンやクロスモールなどの一元管理システムを利用しましょう。こうしたシステムでは、ある程度まで業務を自動化する仕組みがあるので、自分で対応する場合でも確認が必要な部分だけチェックして出荷指示ができますし、パートさんに依頼する場合でも少しの時間で済むようになります。
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なお、一部商品だけ物流会社に預けている場合は、以下のように店舗は毎日営業にした上で、物流会社に預けている商品だけ優良配送にする設定を行う必要があります。
また物流倉庫に預けず、一部商品だけ自社から土日も出荷するという選択も以下の方法で可能です。

一部商品だけ土日も優良配送にする設定の方法

一部の商品だけ物流会社に預けている場合、預けた商品は土日も出荷して優良配送、それ以外の商品は出荷しない設定にする必要があります。
具体的には、以下の手順で行います。

1．カレンダー設定で毎日営業にする

「3ストア構築」→「カレンダー設定」で、店舗の営業日を変更します。通常、以下のように土日祝日はお休みになっていると思いますが、すべての日を営業日にします。そうしないと、店舗が休みの日は出荷できない日とみなされるので、土日に優良配送マークが付きません。

2．商品ごとの納期情報CSVを用意する

物流会社に預けた商品は優良配送に対応した納期情報にし、預けていない商品は3日後出荷などにします。そうしないと、預けていない商品も休日中に出荷しないといけなくなってしまいます。
商品ごとに設定するのは大変なので、以下のように商品CSVで用意しましょう。必要な項目は、2項目だけです。

項目名 内容
code 商品番号
lead-time-instock 納期情報。当日出荷の場合は1000、翌日出荷の場合は2000を入れます。優良配送でない商品は、「3ストア構築」→「発送日情報設定」で発送日情報を作っておき、その番号を入れます。

以下の例では、上5行の商品は優良配送に対応している商品、それ以外は非対応の商品です。わかりやすいように、土日用のCSVはholiday.CSVなど、間違えにくいファイル名で保存しておきます。

別に、平日用の商品CSVも用意しておきます。自社出荷の商品も当日出荷している場合、以下のようにすべての商品の納期情報が1000になります。

3．納期情報を登録して、さらに予約をしておく

金曜日の最後の出荷をした時点で、納期情報を変更しましょう。たとえば、普段は12時までの注文を当日出荷にしている場合は、金曜日の12時になったら、先ほど作成した1個目の「土日用CSV」をアップロードします。
アップロードは、「商品管理」で「商品データ」の「アップロード」ボタンを押します。
ファイルを選ぶ画面になるので、必ず「項目指定」を選んで、「ファイル選択」で土日用CSVを選択して、「アップロード」ボタンを押します。
「反映」のタブで反映することを忘れないでください。

反映処理が終わったら、今度は平日用のCSVを予約する作業に入ります。
先ほどと同様に、「商品管理」で「商品データ」の「アップロード」で、今度は平日用のCSVファイルを選んで、「アップロード」ボタンを押します。
「反映管理」の画面では、今度は「予約」ボタンを押します。

いつ、アップロードした商品データを反映するか、日時を選択する画面になります。ここで、12時までの注文は当日出荷にしている店舗は日曜日の12：01、15時までの注文を当日出荷している店舗の場合は日曜日の15：01を指定して、「予約」ボタンを押します。

これで、土日は物流会社に預けている商品は土日も優良配送、それ以外の商品は営業日のみ優良配送、という設定が実現できます。
この作業は毎週行う必要があるので、忘れないようにタスクリストに登録するなどして、管理しましょう。

3．特別な対応を行わない

Yahoo!ショッピング以外にも出店していて、Yahoo!ショッピングの売上シェアが低い場合は、特別な対応を行わないのも経営判断です。
無理に土日出荷にしてエネルギーをかけるより、他のことにエネルギーを注いで、Yahoo!ショッピングで落ちた売上をほかでカバーする、という選択肢もあります。
また、アイテムマッチについては優良配送に対応していなくても、普通に表示されます。そのため、土日はアイテムマッチを強化してアクセス数をカバーするという方法もあります。

イベント時の対応、土日イベントは対応を検討

イベントなど大きく売れる日が土日や祝日など優良配送に対応できない日の場合、どうするか対応を考える必要があります。
直近では、11月の超PayPay祭はグランドフィナーレが11月29日（火）と30日（水）で平日なので問題ないですが、12月の年末大感謝祭は12月17日（土）と18日（日）のため、年末大感謝祭で12月17日（土）と18日（日）も優良配送にするには、当日出荷の店舗の場合、18日（日）に出荷をする必要があります。翌日出荷の店舗の場合は、17日（土）と18日(日）の両方で出荷をしないと、優良配送が付かず、検索順位が大きく落ちてしまいます。
ただしYahoo!ショッピングの大きなイベントでは、当日に注文する人は半分以下になっています。そのため、当日すぐに買われることが多い商品でなければ、グランドフィナーレに優良配送がつかないから売上が激減する、ということにならないと思います。

今後の展望

Yahoo!ショッピングでは、優良配送を優遇すると去年から発表していました。
さらに8月からは具体的な検索優遇がスタートし、今回さらに強化されています。Yahoo!ショッピングでは、今後も優良配送を優遇する路線を変えることはないと思います。
一部、ギフト商品やオーダーメイド商品など優良配送の対象になっていない商材もありますが、そうした商材でなければ、Yahoo!ショッピングで出店していく上では、優良配送への対応は必須になっています。

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